私立大学の理系研究力ランキング 論文で見る理系25校の本当の順位

私立大学の理系研究力ランキング 論文で見る理系25校の本当の順位
ユミ

私立理系の志望校、偏差値だけで決めていいのかな…

ケンタ

研究が強い大学ってどこ?ランキングが色々あって混乱する…

お母さん

子どもが4年間しっかり学べる大学を選んであげたいです

私立理系の大学選びでは、偏差値や大学群だけでなく、研究環境にも目を向けておきたいところです。

研究力の高い大学を選びたいと思っても、どのデータを参考にすればよいのか迷う受験生や保護者も多いでしょう。

私は22年間、私立中高一貫校で理科を教え、現在はオンライン大学受験指導塾スタディリンクを運営しています。

この記事では、文部科学省所管のNISTEP(科学技術・学術政策研究所)が公開した論文データと各大学の教員数をもとに、

  • 論文数
  • Top10%補正論文数
  • 理系教員あたりのTop10%補正論文数

の3つを使って、医学部を持たない私立大学25校を比較します。

さらに、Q値や自大学リード率、分野別データも紹介します。

読み終えたとき、

ユミ

偏差値だけじゃない比べ方がわかった!

お母さん

うちの子に合う大学を一緒に探せそうです

と感じてもらえるはずです。

論文数で候補を絞り、次に教員1人あたりの研究実績や研究分野を見比べると、大学ごとの違いが見えてきます。

そうた先生

数字の裏にある「研究力のある大学」の見つけ方、一緒に探しましょう。

著者プロフィール
       プロフィール画像

中高一貫校の教員として22年間勤務。
学年主任を務めながら、東大・京大・医学部を含む国公立大受験の指導に携わる。
過去に担任したクラスの国公立大合格率はMAX70%!
2025年4月より「そうた先生の大学合格ナビ」を運営。
2026年3月よりオンライン大学受験指導塾スタディリンクを開校

       

私が情報発信を始めた理由と使命

教員として多くの生徒と向き合ってきましたが、どれだけ頑張っても伝えられる相手は限られていました。クラスの生徒・保護者・せいぜい学年内まで…。

もっと多くの人に、

  • 大学受験の有益な情報を届けたい
  • 志望校合格を諦めないでほしい
  • 合格を勝ち取る喜び・成長を体験してほしい

このブログは、教員の枠を超えて皆さんの大学受験の悩みに応える新しい挑戦です。

目次

研究が盛んな私大は慶應・早稲田・東京理科

私立大学の論文数トップ10(医学部込み)を示した棒グラフ

私立大学の研究力を客観的に比較するには、論文データが最も信頼できる指標の一つです。

まず医学部の有無を問わず、すべての私立大学を論文数で並べたところから見ていきます。

全私大の論文数トップは慶應

データの出典はNISTEP 調査資料-340で、2017〜2021年にWeb of ScienceのSCIE(Science Citation Index Expanded)に収録された論文を集計したものです。

SCIEは自然科学系の論文だけを収録するデータベースで、

  • 文学
  • 法学
  • 経済学

など文系分野の研究は数えられていません。

つまりこの記事のランキングは大学全体の研究力ではなく、

  • 理学
  • 工学
  • 農学
  • 生命科学
  • 医学

など理系の研究力を比べたものです。

このランキングは
理系の研究力を示す

文系学部の研究力を比べたい場合は、科研費など別の指標が必要です。

その前提で、まず全私立大学の論文数トップ10を表にまとめました。

順位大学医学部論文数Top10%補正論文数臨床医学の比率
1慶應義塾大学あり11,6591,18041%
2早稲田大学なし7,0206759%
3日本大学あり5,40133438%
4東京理科大学なし5,3513855%
5順天堂大学あり5,20048964%
6近畿大学あり4,80850741%
7北里大学あり4,15728744%
8東海大学あり3,81034340%
9自治医科大学あり3,37938470%
10東邦大学あり3,37526948%
順位大学医学部論文数Top10%補正論文数臨床医学の比率
1慶應義塾大学あり11,6591,18041%
2早稲田大学なし7,0206759%
3日本大学あり5,40133438%
4東京理科大学なし5,3513855%
5順天堂大学あり5,20048964%
6近畿大学あり4,80850741%
7北里大学あり4,15728744%
8東海大学あり3,81034340%
9自治医科大学あり3,37938470%
10東邦大学あり3,37526948%

論文数トップ3は

  • 慶應義塾大学の11,659本
  • 早稲田大学7,020本
  • 日本大学5,401本

となっています。

世界の被引用数上位10%に入るTop10%補正論文数でも慶應が1,180本で1位、早稲田675本が2位です。

私大の研究規模は
慶應がトップ

トップ10のうち8校は医学部を持つ大学で、上位の顔ぶれには医学部の存在が強く影響しています。

医学部の論文が4〜7割を占める

表の右端を見ると、

  • 慶應は論文の41%
  • 順天堂は64%
  • 日本大学は38%

が臨床医学の論文です。

医学部を持つ大学は附属病院の医師が多くの論文を書くため、大学全体の論文数が大きく膨らみます。

一方で医学部のない

  • 早稲田は臨床医学の比率が9%
  • 東京理科は5%

にとどまり、論文の大半が理学・工学や生命科学の研究です。

理系学部の環境を正確に比較するために、この記事では医学部を持たない私立大学25校に絞って比べます。

対象は

  • 早慶上理3校
  • MARCH5校
  • 関関同立4校
  • 四工大4校
  • その他9校

で、慶應・近大・日大などは医学部を持つため対象外です。

科研費の採択件数で研究力を比較したランキングもあります。

論文データとは違う角度から大学の研究力を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

あわせて読みたい
研究力が高い大学はどこ?科研費データでわかる本当のランキング 大学の研究力ランキングを科研費データで解説。総額トップの旧帝大だけでなく、教員1人あたりで見ると偏差値のわりに研究力が高い地方国公立も浮上します。ランキングを志望校選びに活かす方法まで、22年の進路指導経験をもとに詳しく紹介します。

医学部なしでは早稲田・理科大が2強

医学部なし私立理系25校の論文数ランキングを示した棒グラフ

医学部を持たない25校の論文数を表にまとめました。

順位大学論文数理系教員数
1早稲田大学7,020635
2東京理科大学5,351604
3立命館大学2,866538
4明治大学1,420370
5同志社大学1,335210
6名城大学1,271319
7中央大学1,218194
8芝浦工業大学1,208298
9東京農業大学1,199382
10中部大学1,174263
11関西学院大学1,165212
12立教大学1,023159
13関西大学1,012345
14上智大学867154
15千葉工業大学825270
16法政大学808220
17京都産業大学74797
18青山学院大学742157
19龍谷大学739143
20工学院大学724174
21豊田工業大学70454
22東京都市大学650209
23甲南大学54474
24大阪工業大学520244
25東京電機大学506327
順位大学論文数理系教員数
1早稲田大学7,020635
2東京理科大学5,351604
3立命館大学2,866538
4明治大学1,420370
5同志社大学1,335210
6名城大学1,271319
7中央大学1,218194
8芝浦工業大学1,208298
9東京農業大学1,199382
10中部大学1,174263
11関西学院大学1,165212
12立教大学1,023159
13関西大学1,012345
14上智大学867154
15千葉工業大学825270
16法政大学808220
17京都産業大学74797
18青山学院大学742157
19龍谷大学739143
20工学院大学724174
21豊田工業大学70454
22東京都市大学650209
23甲南大学54474
24大阪工業大学520244
25東京電機大学506327

早稲田は7,020本、東京理科は5,351本で、いずれも3位の立命館(2,866本)の約2倍の水準です。

2強は3位以下の
約2倍の論文数

論文数が多い大学は研究室の数と選択肢が豊富で、入学後に自分の興味に合ったテーマを探しやすくなります。

2強に続く規模の大きい5校

3位以下で論文数1,000本を超えるのは、立命館・明治・同志社・中央・芝浦工業大学の5校です。

  • 立命館:2,866本
  • 明治:1,420本
  • 同志社:1,335本
  • 中央:1,218本
  • 芝浦工業大学:1,208本

名城・東京農業大学・中部・関学・立教・関大も1,000本前後で続いており、理系の研究を幅広く行っています。

規模の大きい大学は研究室の選択肢が多いため、入学後に自分の興味が変わっても方向転換しやすいのが強みです。

ただし論文数が多い大学は教員も多く、1人あたりの質が高いとは限らないので注意しましょう。

論文の質で見ても2強は変わらない

医学部なし私立理系25校のTop10%補正論文数ランキングを示した棒グラフ

論文の数だけでなく、質の高い論文がどれだけあるかも研究力を測る重要な指標です。

ここではTop10%補正論文数を使って、私立理系25校の研究の質を比較します。

Top10%補正論文数とは何か

世界中の論文の被引用数上位10%に入る論文の数を、分野ごとの違いを補正して算出したのがTop10%補正論文数です。

たとえば生命科学と物理学では論文1本あたりの平均被引用数が違います。

分野ごとに上位10%の基準を設定し直すことで、分野の偏りを取り除いた比較ができます。

世界上位10%に入る
質の高い論文の数

この指標が多い大学は、国際的に注目される研究を数多く生み出していると言えます。

Top10%補正論文数やQ値の考え方は動画でも詳しく解説しています。

Top10%補正論文数でも2強は突出している

Top10%補正論文数の上位5校を見てみましょう。

  • 早稲田:675本
  • 東京理科:385本
  • 立命館:180本
  • 立教:108本
  • 関学:88本

早稲田は675本、東京理科は385本で、3位の立命館180本の2〜3.7倍にあたります。

質が高い論文量で見ても2強の地位は揺るぎません。

注目したいのは、立教が論文数では12位ながらTop10%補正論文数では4位に入っている点です。

関学や芝浦工業大学も質の面で健闘しており、規模だけでは見えない実力がわかります。

25校のTop10%補正論文数ランキング

25校すべてのTop10%補正論文数を一覧で掲載します。

順位大学Top10%補正論文数論文数
1早稲田大学6757,020
2東京理科大学3855,351
3立命館大学1802,866
4立教大学1081,023
5関西学院大学881,165
6芝浦工業大学791,208
7中部大学751,174
8明治大学701,420
9中央大学691,218
10東京農業大学671,199
11法政大学64808
12京都産業大学63747
13上智大学59867
13工学院大学59724
15青山学院大学56742
15名城大学561,271
17同志社大学541,335
18甲南大学51544
19豊田工業大学50704
20龍谷大学49739
21東京都市大学47650
22大阪工業大学45520
23千葉工業大学39825
24関西大学361,012
25東京電機大学8506
順位大学Top10%補正論文数論文数
1早稲田大学6757,020
2東京理科大学3855,351
3立命館大学1802,866
4立教大学1081,023
5関西学院大学881,165
6芝浦工業大学791,208
7中部大学751,174
8明治大学701,420
9中央大学691,218
10東京農業大学671,199
11法政大学64808
12京都産業大学63747
13上智大学59867
13工学院大学59724
15青山学院大学56742
15名城大学561,271
17同志社大学541,335
18甲南大学51544
19豊田工業大学50704
20龍谷大学49739
21東京都市大学47650
22大阪工業大学45520
23千葉工業大学39825
24関西大学361,012
25東京電機大学8506

ただし論文数が多い大学はTop10%補正論文数も多くなりやすいため、教員あたりで比較すると規模の影響を除けます。

教員あたりの質は立教・関学・豊田工業大学

理系教員あたりTop10%補正論文数の25校ランキングを示した棒グラフ

大学の規模が大きければ論文数もTop10%補正論文数も増えるのは当然です。

規模の違いを補正して比較するために、理系教員あたりのTop10%補正論文数を25校分算出しました。

理系教員あたりTop10%補正論文数で見た25校

各大学が公開する情報公開資料から理系学部と文理融合学部の

  • 教授
  • 准教授
  • 講師
  • 助教

を合計し、Top10%補正論文数をその人数で割りました。

順位大学教員あたりTop10%Top10%理系教員数
1早稲田大学早慶上理1.063675635
2豊田工業大学その他0.9265054
3甲南大学その他0.6895174
4立教大学MARCH0.679108159
5京都産業大学その他0.6496397
6東京理科大学早慶上理0.637385604
7関西学院大学関関同立0.41588212
8上智大学早慶上理0.38359154
9青山学院大学MARCH0.35756157
10中央大学MARCH0.35669194
11龍谷大学その他0.34349143
12工学院大学四工大0.33959174
13立命館大学関関同立0.335180538
14法政大学MARCH0.29164220
15中部大学その他0.28575263
16芝浦工業大学四工大0.26579298
17同志社大学関関同立0.25754210
18東京都市大学四工大0.22547209
19明治大学MARCH0.18970370
20大阪工業大学その他0.18445244
21名城大学その他0.17656319
22東京農業大学その他0.17567382
23千葉工業大学その他0.14439270
24関西大学関関同立0.10436345
25東京電機大学四工大0.0248327
順位大学教員あたりTop10%Top10%教員数
1早稲田大学早慶上理1.063675635
2豊田工業大学その他0.9265054
3甲南大学その他0.6895174
4立教大学MARCH0.679108159
5京都産業大学その他0.6496397
6東京理科大学早慶上理0.637385604
7関西学院大学関関同立0.41588212
8上智大学早慶上理0.38359154
9青山学院大学MARCH0.35756157
10中央大学MARCH0.35669194
11龍谷大学その他0.34349143
12工学院大学四工大0.33959174
13立命館大学関関同立0.335180538
14法政大学MARCH0.29164220
15中部大学その他0.28575263
16芝浦工業大学四工大0.26579298
17同志社大学関関同立0.25754210
18東京都市大学四工大0.22547209
19明治大学MARCH0.18970370
20大阪工業大学その他0.18445244
21名城大学その他0.17656319
22東京農業大学その他0.17567382
23千葉工業大学その他0.14439270
24関西大学関関同立0.10436345
25東京電機大学四工大0.0248327

規模で圧倒的だった早稲田は、教員あたりでも1.063で堂々の1位です。

東京理科は0.637で6位に下がりますが、教員604人の大所帯でこの水準は十分に高い実力でしょう。

MARCH5校の研究力の差は動画でさらに詳しく解説しています。

小規模校の数字は本物 選択肢は少ない

ケンタ

豊田工業大学が2位って意外です!そんなに強いの?

そうた先生

数字は本物ですが、教員54人の小さな大学なので、研究室の選択肢は限られます。

豊田工業大学は5年間で704本の論文を出し、自大学リード率も44.0%と高く、自前の研究で数字を作っています。

Top10%補正論文数が5本減っても教員あたりの値は0.833で、3位以下との差は十分でしょう。

一方で豊田工業大学は工学部1学部、教員54人の小さな大学で、研究分野も化学・材料・物理に集中しています。

自分の興味に合う研究室が見つかりやすいかは別の話です。

数字は本物
研究室の選択肢は少ない

順位に幅を持たせて見るべきなのは、3位の甲南大学から6位の東京理科大学までです。

  • 甲南大学:0.689(教員74人)
  • 立教大学:0.679(教員159人)
  • 京都産業大学:0.649(教員97人)
  • 東京理科大学:0.637(教員604人)

4校の差は0.05前後で、甲南大学や京都産業大学はTop10%補正論文数が数本動けば順位が入れ替わります。

3位から6位は、上位グループとしてまとめて捉えるのが妥当です。

東京理科大以外の3校は、偏差値帯では難関と言い切れませんが、教員あたりの研究の質では上位に食い込んでいます。

偏差値の序列だけで大学を選ぶと、こうした実力校を見落としてしまいます。

MARCH内の差は最大3.6倍

MARCH5校の教員あたりTop10%補正論文数を並べると、差の大きさに驚くはずです。

  • 立教:0.679
  • 青学:0.357
  • 中央:0.356
  • 法政:0.291
  • 明治:0.189

立教0.679に対して明治0.189は約3.6倍の差があります。

MARCHとひとくくりに語られがちですが、教員あたりの研究の質で見ると大学ごとにまったく違います。

関関同立と四工大の中の差

関関同立でも差は大きく出ています。

  • 関学:0.415
  • 立命館:0.335
  • 同志社:0.257
  • 関大:0.104

関学0.415に対して関大0.104は約4倍の差です。

四工大も同じ理工系グループでありながら、

  • 工学院:0.339
  • 芝浦工大:0.265
  • 東京都市大:0.225
  • 東京電機大:0.024

工学院0.339に対して東京電機大0.024は約14倍の差です。

大学群で判断するのではなく、1校ずつデータで確かめるのが大切です。

そうた先生

偏差値が届くからではなく、研究テーマに惹かれるかどうかで絞りましょう。

Q値だけでは研究力を見抜けない

Q値だけでは研究力を見抜けない理由と自大学リード率を視覚化したインフォグラフィック

研究力を比較するもう一つの指標にQ値(Top10%補正論文数÷論文数)があります。

ただしQ値だけで判断すると実態とかけ離れるケースがあるため、注意が必要です。

Q値は論文の打率を示す指標

Q値は全論文のうちTop10%補正論文数に入る論文がどれくらいの割合かを示しています。

つまり、Q値が高い大学ほど質の高い論文を効率よく生み出していると解釈できます。

25校のQ値トップ5は以下の通りです。

  • 立教:10.56%
  • 早稲田:9.62%
  • 甲南:9.38%
  • 大阪工業大学:8.65%
  • 京都産業:8.43%

立教が25校中トップで、早稲田と甲南が続きます。

Q値は大学の規模に左右されにくい指標ですが、落とし穴もあります。

Q値25%の大学が対象外になった理由

実は今回の25校に含めなかった大学に、Q値25%前後の大学が2校あります。

  • 長崎総合科学大学:Q値25.28%(論文720本中、物理学674本)
  • 広島工業大学:Q値24.92%(論文590本中、物理学437本)

Q値だけ見ると国内トップクラスに見えますが、論文の大半は素粒子・宇宙物理の国際共同実験に参加して得られた共著論文です。

著者が数百人に及ぶ論文が大量にカウントされるため、大学独自の研究成果とはいえない状態になっています。

Q値が高い=
研究力が高いとは限らない

Q値は有用な指標ですが、単独で研究力を判断する指標にはなりません。

自大学リード率で見抜く

Q値の落とし穴を補うのが自大学リード率(責任著者が自大学の教員である論文の割合)です。

長崎総合科学大学のリード率はわずか0.8%で、720本の論文のうち自大学が主導した研究はたった6本しかありません。

広島工業大学も10.3%にとどまっています。

一方、今回の25校のリード率は27.5%〜56.4%の範囲に収まっており、自大学主導の研究が一定以上あると確認できます。

順位大学リード率リード論文数論文数
1関西大学56.4%5711,012
2上智大学49.1%426867
3東京理科大学48.6%2,6025,351
4同志社大学47.7%6371,335
5東京電機大学47.6%241506
順位大学リード率リード論文数論文数
1関西大学56.4%5711,012
2上智大学49.1%426867
3東京理科大学48.6%2,6025,351
4同志社大学47.7%6371,335
5東京電機大学47.6%241506

リード率が低い大学は国際共同研究への参画が多い可能性もあるため、一概に悪いとは言えません。

大切なのは、

  • Q値
  • 教員あたりTop10%補正論文数
  • リード率

のように複数の指標を組み合わせて判断する姿勢です。

分野別に強い私立大学

物理学・化学・工学・生命科学の分野別に強い私立大学を視覚化したインフォグラフィック

総合ランキングの上位だからといって、あなたの志望分野でも強いとは限りません。

ここでは分野別のTop10%補正論文数を見て、どの大学がどの分野に強みを持つか整理します。

物理学に強いのは早稲田・立教・工学院・法政

物理学分野のTop10%補正論文数が多い大学は以下の通りです。

  • 早稲田:218本(Q値15.48%)
  • 立教:82本(Q値15.50%)
  • 東京理科:70本(Q値7.45%)
  • 青学:37本(Q値14.07%)
  • 工学院:34本(Q値16.92%)
  • 関学:29本(Q値13.55%)
  • 法政:28本(Q値15.73%)

論文数では早稲田が大きくリードしています。

一方、Q値では工学院や法政が高い水準にあります。

物理学では、研究規模を見るか、論文の質の割合を見るかによって順位が変わる点に注目です。

化学に強いのは東京理科・早稲田・関学

化学分野では東京理科がTop10%補正論文数81本でトップです。

  • 東京理科:81本(Q値5.99%)
  • 早稲田:68本(Q値6.92%)
  • 関学:31本(Q値6.90%)
  • 名城:23本(Q値8.01%)
  • 豊田工業大学:19本(Q値15.20%)

豊田工業大学はTop10%こそ19本ですが、Q値15.20%は化学分野の25校の中でトップクラスです。

教員54人の小さな大学ながら、化学分野に研究資源を集中させている姿が見えます。

工学に強いのは早稲田・芝浦工業・東京都市

工学分野のTop10%補正論文数は以下の通りです。

  • 早稲田:83本(Q値8.67%)
  • 芝浦工業大学:21本(Q値7.72%)
  • 東京都市大学:21本(Q値9.21%)
  • 立命館:21本(Q値5.51%)

四工大の中では芝浦工業大学と東京都市大学が工学分野に強みを持っています。

東京都市大学はQ値9.21%で工学分野の質も高い水準です。

生命科学に強いのは東京理科・早稲田・東京農業

基礎生命科学分野でTop10%補正論文数が多い大学は以下の通りです。

  • 東京理科:90本(Q値7.66%)
  • 早稲田:79本(Q値6.66%)
  • 東京農業大学:54本(Q値5.58%)
  • 立命館:42本(Q値5.83%)
  • 中部:30本(Q値7.41%)
  • 京都産業:27本(Q値10.31%)
  • 明治:26本(Q値5.70%)

Top10%補正論文数では東京理科と早稲田が上位で、東京農業大学、立命館が続きます。

一方、Q値では京都産業が10.31%と高く、論文数の規模とは異なる特徴が見られます。

分野別データの見方

分野ごとに強い大学がまったく異なる点が、伝わったと思います。

総合ランキング上位だからといって、自分の志望分野で上位とは限りません。

環境・地球科学では中部のQ値11.68%が目立ち、材料科学では立命館のQ値12.16%が特筆すべき数字です。

志望分野がある程度決まっている人は、総合ランキングではなく分野別のデータで候補を絞り込んでください。

関関同立の分野別の強みは動画でも解説しています。

国公立も含めた理系の選択肢を広げたい場合は、以下の記事も参考にしてください。

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ランキングを志望校選びに活かす3ステップ

ランキングを志望校選びに活かす3ステップを視覚化したインフォグラフィック

ここまで見てきたデータを、あなたの志望校選びにどう活かせばいいかを3つのステップで整理します。

ランキングはきっかけの一つで、最終判断は自分の興味と体感で決めるのがポイントです。

ステップ1:論文数で候補を5校に絞る

まず自分の志望分野に関係する学部がある大学を、論文数の上位から5校ほどリストアップしましょう。

論文数が多い大学は研究室の数が多く、入学後にテーマを選ぶ余地が広いメリットがあります。

規模が極端に小さい大学は研究室の選択肢が限られるため、最初のスクリーニングでは規模を重視するのが効率的です。

  • 論文数ランキングの表から志望分野の学部がある大学を探す
  • 分野が決まっている場合は分野別のデータを使う
  • 5校程度に絞り込む

ステップ2:教員あたりの質で2〜3校に

5校をリストアップしたら、教員あたりTop10%補正論文数で質を比較してください。

教員あたりTop10%の表で確認すると、同じ大学群の中でも3〜4倍の差があるとわかります。

規模で絞り
質で比べる

教員あたりの質が高い大学は、少ない教員数でも世界レベルの研究を行っているため、配属後の手厚い指導が期待できます。

この段階で2〜3校にまで候補を絞りましょう。

ステップ3:研究テーマと研究室で確認

最後はデータを離れて、自分の目と心で確かめる段階です。

KAKENデータベースで候補大学の教員名や分野を検索すると、どんな研究テーマに取り組んでいるかがわかります。

自分が興味を持てるテーマがあるかどうかを確認してください。

さらにオープンキャンパスで研究室を訪問し、

ユミ

ここで4年間学びたい!

と思えるかを体感で判断しましょう。

そうた先生

22年間教えてきて、本人の「ここに行きたい」が最優先だと確信しています。

ランキングに引っ張られて興味のない分野を選び、進学後にモチベーションを失う生徒を何度も見てきました。

保護者の方にもお伝えしたいのですが、ランキングを見て子どもに特定の大学を押し付けるのは逆効果です。

保護者が考えたレールの上を子どもが歩むのが、本当に良いとは限りません。

データは判断材料として渡し、最終的な選択は本人に任せてあげてください。

志望校が決まったら、できれば高2のうちに基礎固めを始めましょう。

高2から始める受験勉強の進め方は以下の記事で詳しく解説しています。

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研究力上位の私立はE判定でも諦める必要はありません。

逆転合格の具体的な方法を知りたい方はこちらをご覧ください。

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志望校選びの次は
合格するための計画づくり

志望校が決まっても、そこからどう勉強を進めればいいかわからない人は多いはずです。

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まとめ

私立大学の理系研究力ランキングを、

  • 論文数
  • Top10%補正論文数
  • 教員あたりの質

の3つの指標で比較しました。

医学部を持たない私立理系では、早稲田と東京理科が研究が盛んで論文数もTop10%補正論文数も多いです。

一方、教員あたりのTop10%補正論文数では、豊田工業大学や甲南大学など、規模とは違った強みを持つ大学も見えてきます。

志望校選びに活かすステップは3つです。

  • 論文数で候補を5校に絞る
  • 教員あたりの質で2〜3校に絞る
  • KAKENとオープンキャンパスで研究テーマと研究室を確かめる

特に、志望分野が決まっている場合は、総合ランキングよりも分野別のデータを優先して確認してください。

研究力の数字だけでは分からない研究テーマや研究室の雰囲気も、志望校選びでは大切な判断材料です。

データを参考にしながら、最後は自分が興味を持てる研究テーマがあるか、ここで学びたいと思える環境かを確かめてください。

そうた先生

ランキングは大学を選ぶための答えではなく、自分に合う大学を探すためのヒントです。

Q&A

慶應義塾大学がランキングに入っていないのはなぜですか?

慶應は医学部を持つため、附属病院の臨床医学論文が全体の約41%を占めています。

教員数の算出基準も医学部がない大学と異なるため、公平に比較するために医学部なし25校に絞りました。

なお慶應の論文数11,659本・Top10%補正論文数1,180本は私立大学全体でトップクラスの実績です。

教員あたりTop10%補正論文数が高い大学は自分にとって良い大学ですか?

必ずしもそうとは限りません。

この指標は大学全体の研究の質を規模調整して比較するものです。

自分の志望分野で強いかどうかは分野別データで確認する必要があります。

最終的には研究テーマへの興味が最も大切です。

文系学部の研究力もこのランキングでわかりますか?

いいえ。

このランキングはWeb of ScienceのSCIEに収録された自然科学系の論文を中心に比較しているため、文系の研究活動は反映されていません。

文系の研究力を比較するには科研費の採択件数など別の指標が必要です。

論文データが2017-2021年と古いですが今も同じ順位ですか?

大学の研究力は数年で大きく変動しにくいため、傾向は現在も概ね同じと考えられます。

ただし新設学部や大型研究プロジェクトの開始で個別に変動する可能性はあるため、最新の科研費データや各大学の研究ニュースも併せて確認してください。

教員数はどうやって数えましたか?

各大学の情報公開資料から、理系学部と文理融合学部に所属する教授・准教授・講師・助教を合計しました。

助手・客員・非常勤は除外しています。

全学の教員数で割ると文系教員の多い総合大学が不利になるため、理系の教員数で割って算出しています。

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